愛嬌あふれる表情で多くの人を魅了するパグとの暮らしに、心をときめかせている方もいるでしょう。
その一方で、「初めて犬を飼うから、ちゃんとお世話できるかな…」といった不安や、「しわしわのお顔はかわいいけれど、お手入れが大変そうで心配…」と感じているかもしれません。
パグは初心者にも比較的飼いやすい犬種ですが、幸せな毎日を送るためには、迎える前にその特性をしっかり理解しておくことが大切です。
この記事では、これからパグを家族に迎えようと考えている方に向けて、
- パグの愛らしい性格と特徴
- 初心者でもできるしつけの基本
- 健康を守るためのお手入れや食事のポイント
上記について、解説しています。
あらかじめ飼い方のコツを知っておけば、多くの不安は解消できるでしょう。
この記事が、あなたと愛犬のかけがえのない毎日を始めるための一助となれば幸いです。
ぜひ最後まで読んで、参考にしてください。
パグの特徴と性格を知ろう
パグは、その愛嬌たっぷりの「ブサカワ」な顔立ちと、陽気で愛情深い性格が最大の魅力です。
あなたの家族にたくさんの笑顔と癒やしをもたらしてくれる、最高のパートナーになる犬種といえるでしょう。
その理由は、パグが古くから中国の王室などで愛玩犬として大切にされてきた歴史にあります。
人々を喜ばせることが大好きで、基本的に穏やかで攻撃性が低いのは、この出自が大きく影響しているのです。
そのため、初心者の方でも比較的飼いやすい性格だといわれています。
具体的には、小さな子供や他のペットとも上手に付き合える社交性の高さが特徴です。
しかし、プライドが高く頑固な一面や、旺盛な食欲からくる肥満への注意も必要でしょう。
このようなユニークな個性すべてが、世界中の人々を魅了するパグの愛すべき点なのです。
パグの基本的な特徴と魅力
パグは、中国を原産国とする古くから愛されてきた小型犬です。その最大の特徴は、なんといっても愛嬌のあるしわくちゃの顔と、ぺちゃっとつぶれた鼻でしょう。
成犬の体重は6.3kgから8.1kg、体高は25cmから28cmほどが標準とされています。性格は非常に明るく陽気で、飼い主や家族に対しては深い愛情を示し、いつもそばにいたがる甘えん坊な一面があります。
攻撃性が低く穏やかな気質のため、無駄吠えも少なく、マンションなどの集合住宅でも飼育しやすい犬種といえます。ブヒブヒと鳴くような呼吸音や大きないびきも、パグならではのチャームポイント。
ただし、短頭種であるため暑さや寒さには弱く、体温管理には注意が必要になる点も理解しておくべきでしょう。
ユニークな見た目と人懐っこい性格で、多くの人々を魅了する犬種なのです。
パグの性格：甘えん坊で愛らしい
パグは非常に甘えん坊で、飼い主への深い愛情表現が最大の魅力でしょう。
ラテン語で「握りこぶし」を意味する「pugnus」が名前の由来とされるほど、その存在感はユニークです。飼い主のそばにいることを何よりも好み、膝の上に乗ってきたり、家の中をどこまでもついてきたりと、常に愛情を求めています。
その陽気で穏やかな気質から攻撃性は低く、小さなお子様がいる家庭でも比較的安心して迎え入れられる犬種といえます。ただし、プライドが高く頑固な一面も持ち合わせており、一度嫌だと感じたことには、てこでも動かないことがあるかもしれません。
このような性格を深く理解し、根気強く向き合う飼い方が求められるでしょう。この甘えん坊で時に見せる頑固さこそが、多くの飼い主を虜にするパグの個性なのです。
パグの健康管理と注意点
愛嬌あふれるパグと一日でも長く一緒に過ごすためには、日々の健康管理が非常に重要です。
そのユニークな体のつくりから、パグには特有のかかりやすい病気や注意すべき点が存在します。
飼い主であるあなたがこれらのポイントをしっかりと理解し、愛情のこもったケアを続けることが、愛犬の健康で幸せな一生につながるのです。
なぜなら、パグは短頭種であるため、呼吸器系のトラブルや熱中症のリスクが他の犬種よりも高い傾向にあります。
また、顔の深いシワは汚れが溜まりやすく、皮膚炎の原因になることも少なくありません。
「いびきが可愛い」と感じるかもしれませんが、それは呼吸がしづらいサインの場合もあるため、日頃から愛犬の様子を注意深く観察することが大切です。
もちろん、パグならではの注意点を知っておけば、多くの病気は予防したり、早期発見したりすることが可能です。具体的には、毎日のスキンケアや適切な温度管理、そして定期的な健康診断が欠かせません。
以下で、パグの健康を守るために特に知っておきたい病気と、具体的なケア方法について詳しく解説していきます。
パグに多い病気と対策法
パグはそのユニークな容姿から多くの人に愛されていますが、遺伝的にかかりやすい病気がいくつか存在します。
代表的なのは、短頭種気道症候群でしょう。これは気道が狭くなることで呼吸がしづらくなる病気で、普段から「ガーガー」といった呼吸音が特徴的です。高温多湿の環境や肥満は症状を悪化させるため、室温管理と体重コントロールが欠かせません。
また、顔の深いしわは汚れが溜まりやすく、こまめに拭いて清潔に保たないと皮膚炎を引き起こす原因となります。
大きく突出した目は非常にデリケートで、角膜潰瘍やドライアイになりやすいため、目にゴミが入らないよう生活環境に配慮することも大切です。
食欲旺盛な体質から肥満にもなりやすく、適切な食事管理と適度な運動で、関節や心臓への負担を軽減させてあげましょう。
日頃から愛犬の様子をよく観察し、変化があれば早めに動物病院を受診することが重要になります。
暑さ対策と快適な室内環境
短頭種であるパグは、パンティングによる体温調節が不得意なため、他の犬種に比べて熱中症のリスクが非常に高くなります。
愛犬の命を守るためにも、夏の室内環境の管理は徹底しましょう。エアコンを適切に使い、室温は25℃前後、湿度は50～60%程度を維持することが理想的です。
飼い主が留守にする際も、エアコンをつけたままにしておくのが安全のための鉄則となります。加えて、クールマットや大理石プレートなどの冷却グッズを用意すると、パグが自分で涼む場所を選べるようになります。
また、いつでも新鮮な水が飲める環境を整え、脱水症状を防ぐことも重要です。日中のアスファルトは50℃を超えることもあるため、散歩は気温が下がる早朝や夜間に行ってください。
パグのしつけと生活習慣
パグとの快適な共同生活を実現するためには、子犬の頃からのしつけと健康的な生活習慣の定着が非常に重要です。
頑固な一面に手を焼く瞬間もあるかもしれませんが、パグは賢く飼い主が大好きなので、しつけのコツさえ掴めば素晴らしいパートナーシップを築けるでしょう。
その理由は、パグが持つプライドの高さとマイペースな性格にあります。
飼い主を喜ばせたいという気持ちが強い犬種ですから、厳しく叱るよりも、成功体験をたくさん作って褒めて伸ばす方法が効果的です。
また、食欲旺盛で肥満になりやすい体質のため、食事のコントロールや適切な運動といった日々の習慣が、将来の健康を大きく左右するのです。
例えば、トイレトレーニングや無駄吠えの防止、さらにはシワの間のお手入れや室温管理など、パグならではの注意点がいくつも存在します。
以下で、具体的なしつけの方法と健康に過ごすための生活習慣について詳しく解説していきます。
パグのしつけのコツ
パグは利口な犬種ですが、同時に頑固な一面も持ち合わせているため、しつけには少し工夫が求められます。
最も効果的なのは、彼らの旺盛な食欲をうまく利用する方法でしょう。「おすわり」や「まて」などの指示に従えたら、間髪入れずに専用のドッグフードや小さくしたボーロなどをご褒美として与えてください。
この時、大げさなくらい褒めてあげることが重要です。
パグは集中力が持続しにくいため、1回のトレーニングは5分から10分程度に留め、それを1日に2～3回繰り返すのが理想的な進め方になります。
叱るよりも、できたことを褒めて成功体験をたくさん積ませるポジティブなアプローチで、愛犬との信頼関係を築きながら楽しくしつけを進めていきましょう。
日常のケアとお手入れ方法
パグとの暮らしでは、その特徴に合わせた日々のお手入れが欠かせません。
特に顔の深いシワの間は汚れが溜まりやすく、皮膚炎「パグ皮膚症」の原因にもなるため、週に2〜3回は湿らせたコットンで優しく拭き、その後しっかり乾かしてあげましょう。
また、短毛ながらダブルコートで抜け毛が非常に多い犬種です。できれば毎日、獣毛ブラシやラバーブラシでブラッシングを行い、皮膚の健康を保つ必要があります。
目が大きく突出しているので傷つけないよう注意し、目ヤニはこまめに取り除いてください。歯周病予防のための歯磨きも習慣にしたいところ。爪切りは月に1〜2回、耳掃除も週1回程度が目安となります。
短頭種特有の体温調節の苦手さも考慮し、夏場はエアコンの効いた室内で過ごさせるなど、熱中症対策を徹底することが愛犬の健康を守る鍵です。
パグを迎えるための準備
パグを新しい家族として迎えるにあたり、事前に生活環境を整え、必要なグッズを揃えておくことが何よりも大切です。
愛らしいパグが到着したその日から安心して新しい生活を始められるよう、万全の態勢で迎えてあげましょう。
なぜなら、準備が不十分なままパグを迎えてしまうと、飼い主自身が慌てるだけでなく、環境の変化に敏感なパグに余計なストレスを与えてしまうからです。
特に好奇心旺盛な子犬期は、床に落ちているものを何でも口にしてしまう恐れがあるため、安全なスペースの確保は事故を未然に防ぐ上で非常に重要となります。
具体的には、まずケージやサークル、ベッドといったパグが安心して休めるプライベートスペースを用意してください。
その他、専用のドッグフードや食器、トイレトレーとシート、留守番中も退屈しないためのおもちゃ、散歩用の首輪やリードも必須アイテムでしょう。
さらに、パグは暑さに非常に弱い犬種なので、夏場はエアコン管理はもちろん、クールマットなどの暑さ対策グッズも欠かせません。
迎え入れる方法と費用
パグを家族に迎え入れる方法は、主にペットショップ、ブリーダー、保護犬の里親になるという3つが存在します。
ペットショップや専門ブリーダーから迎える際の生体価格は、20万円から50万円ほどが一般的な相場でしょう。人気の高いフォーンやブラックといった毛色や、親犬の血統によって価格は大きく変動します。
一方で、動物愛護センターや保護団体から里親として引き取る選択肢もあり、この場合はワクチン接種や不妊去勢手術にかかった実費として数万円の譲渡費用が必要です。
生体価格とは別に、ケージやトイレ用品、食器などの飼育グッズに約5万円、さらに自治体への畜犬登録料（約3,000円）、狂犬病予防注射（約3,500円）、混合ワクチン接種（約8,000円）といった諸費用もかかります。
そのため、生体価格に加えて最低でも7万円前後の初期費用を見込んでおきましょう。
必要なアイテムと環境づくり
パグを迎えるには、犬種に合ったアイテムと快適な環境づくりが欠かせません。
短頭種で顔が平らなため、食器は少し傾斜がついたものを選ぶと食べやすくなるでしょう。
安心して過ごせるよう、幅90cm×奥行60cm程度のケージやサークル、いたずら防止にメッシュ付きのトイレトレーも準備してください。
お手入れ用品では、抜け毛対策に皮膚を傷つけにくいラバーブラシが活躍します。
また、顔のシワに汚れが溜まりやすいため、専用のウェットシートでこまめに拭き取ることが大切です。
パグは暑さにも寒さにも弱いので、室温は夏場で25℃前後、冬場で20℃前後を維持しましょう。
フローリングは関節を痛める原因になるので、滑り止めマットを敷くなどの対策が重要となります。
パグに関するよくある質問
パグを新しく家族に迎えるにあたり、食事の与え方やどれくらい運動させればよいかなど、日々のケアに関する疑問や不安を抱えている方もいるでしょう。
これらの疑問は、パグという犬種の特性を正しく理解することで、その多くが解決できるはずです。
なぜなら、パグは食欲が非常に旺盛で太りやすい体質を持つ一方で、短頭種特有の呼吸器系の問題を抱えているからです。
そのため、一般的な犬と同じような食事管理や運動では、肥満や熱中症のリスクを高めてしまう可能性があるのです。
この犬種ならではのデリケートな部分を把握し、適切なケアをすることが健康維持の鍵となります。
このセクションでは、飼い主さんが特に悩みがちな「食事管理のポイント」と「運動量と散歩の仕方」という、よくある質問について回答します。
以下で詳しく解説していきます。
パグの食事管理のポイント
パグは食欲がとても旺盛で、肥満になりやすい犬種として知られています。そのため、飼い主による適切な食事管理が健康維持の鍵を握るでしょう。
成犬の場合、食事は1日2回に分けて与えるのが基本です。フードの給与量は製品パッケージの表示を基準とし、例えば体重6kgの成犬なら1日あたり約80g〜100gが目安となります。
ただし、個体差があるため、肋骨がうっすらと触れる程度の肉付き（ボディコンディションスコア3）を保つように調整してください。
皮膚がデリケートな子も多いので、グレインフリーやアレルギーに配慮したフードを選ぶのも良い選択肢。
また、早食いをしがちなパグには、ゆっくり食べられる凹凸のついた食器の使用もおすすめです。
おやつは1日の摂取カロリーの10%以内に抑え、愛犬の健康を守りましょう。
パグの運動量と散歩の仕方
パグは活発な犬種ですが、短頭種のため長時間の激しい運動は体に負担をかけます。
1日2回、それぞれ15分から30分、距離にして合計1〜2km程度の散歩が適切な運動量でしょう。
特に夏場は熱中症のリスクが格段に高まるため、日中のアスファルトが高温になる時間帯は避けてください。早朝や陽が落ちた夜間など涼しい時間帯を選び、こまめな水分補給も忘れないようにしましょう。
散歩の際は、首輪ではなく気管への負担が少ない胴輪（ハーネス）の使用をおすすめします。愛犬のペースに合わせ、呼吸が荒くなっていないか常に様子を見守ることが大切です。
雨の日などで外に出られない場合は、室内で知育トイを使ったり、かくれんぼをしたりして遊んであげると、良い気分転換になり運動不足の解消にもつながるのです。
まとめ：愛犬パグとの幸せな暮らし、飼い方の基本を再確認
今回は、これからパグとの生活を始めようと考えている方に向けて、
- パグが持つユニークな性格と魅力
- 初心者でも安心のしつけの基本的な考え方
- 健康で長生きしてもらうための飼い方のポイント
上記について、解説してきました。
パグは非常に愛嬌があり、飼い主によく懐く素晴らしいパートナーです。
しかし、その個性的な体型や性格ゆえに、特有の注意点があるのも事実です。
初めて迎えるにあたり、少し不安を感じている方もいるかもしれません。その不安を解消するためにも、まずはパグという犬種への理解を深めることが大切です。
正しい知識を持つことが、愛犬との信頼関係を築く第一歩となるでしょう。ここまで熱心に情報を集めているあなたの愛情は、きっとパグにも伝わります。
その学びたいという気持ちこそが、何より大切な準備と言えるでしょう。
最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、日々の触れ合いを通じて、かけがえのない絆が育まれていきます。
パグがもたらしてくれる笑いや癒やしに満ちた毎日は、想像以上に素晴らしいものになるはずです。
さあ、この記事で得た知識を胸に、自信を持ってパグとの新しい生活を始めてみましょう。
筆者はあなたの素晴らしい門出を心から応援しています。
